PMDAにおけるペプチド医薬品の非臨床安全性評価の考え方

  • 直田 みさき
    独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 毒性領域
  • 真木 一茂
    独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 毒性領域

書誌事項

タイトル別名
  • Preclinical safety evaluation for peptide pharmaceuticals at PMDA

説明

<p> 1980年代に化学合成医薬品に代わって登場したバイオテクノロジー応用医薬品(以下、「バイオ医薬品」)は、現在に至るまで数多くの革新的な医薬品を生み出しているが、近年、その標的となる細胞外分子は枯渇しつつあること、さらに製造コストの観点から、化学合成医薬品とバイオ医薬品の長所を併せ持つペプチド医薬品が注目されている。特にペプチド医薬品の中でも環状ペプチドなどの中分子ペプチドについては、バイオ医薬品と同様に高い特異性やタンパク質間相互作用阻害活性を持つ一方で、バイオ医薬品では期待することが難しい経口投与や細胞内分子を標的することが可能であることから、新たなモダリティーとして注目されている。</p><p> しかしながら、現時点でペプチド医薬品に特化した非臨床安全性評価に係るガイドラインは存在しない。FDAでは40アミノ酸残基以下のペプチドは化学合成医薬品と同等の規制を行っているが、PMDAでは、バイオ医薬品に関するICH S6(R1)ガイドラインに「本ガイドラインに示される原則は、… (中略) …化学合成ペプチドにも適用されうる」との記載があることから、その基本理念である「ケースバイケース」の原則を、ペプチド医薬品の非臨床安全性評価に適用している。したがって、本邦でのペプチド医薬品の非臨床安全性評価においては、ペプチド医薬品を構成するアミノ酸の種類(天然型/非天然型)に加え、ペプチド医薬品の立体構造(鎖状/環状)、修飾(脂肪酸、PEG、抗体など)等の物理化学的特性や生物活性を十分理解し、開発品目ごとに適切に評価する必要があると考える。</p><p> 本講演では、様々なペプチド医薬品に共通する非臨床安全性評価について、既存医薬品とペプチド医薬品との違いや、既存ガイドラインでの安全性評価の考え方を参考にした上で、我々の基本的な考え方を紹介したい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285697591822976
  • NII論文ID
    130007898612
  • DOI
    10.14869/toxpt.47.1.0_w1-1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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