地震発生直後における小学生の津波の危険性に関する認識

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  • Elementary School Students’ Perceptions of a Tsunami Risk after an Earthquake
  • ジシン ハッセイ チョクゴ ニ オケル ショウガクセイ ノ ツナミ ノ キケンセイ ニ カンスル ニンシキ

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抄録

本論では,地震発生直後における揺れと津波からの避難に関する小学生の認識を示すことを目的とする。2015年2 月6 日に徳島県南部で発生した地震によって強い揺れを観測した地域にあるA 小学校の全児童を対象として質問紙調査を実施した。A 小学校は,南海トラフ地震による津波浸水想定区域内に位置している。調査結果より,地震発生後において動揺した児童は多くおり,それは地震の揺れの認識と津波に関する不安感によって規定されていること,多くの児童は津波の来襲の危険性と避難行動の必要性について認識できている傾向にあること,が明らかになった。一方で,地震による揺れを強く感じた場合には避難行動の必要性を想起できなくなる可能性があることも示された。分析結果より,地震の揺れを感知した直後の児童の心理状態を考慮し,津波の来襲を予見し避難の必要性を喚起する情報伝達体制とともに,児童が動揺した中でも誘導できる危機管理体制を確立しておかなければならないことが指摘される。

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