市町村合併の前後における議員定数と議員報酬の変化

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  • Change of number of seats and compensation in the Japanese municipal assemblies between FY 2002 and FY 2009
  • シチョウソン ガッペイ ノ ゼンゴ ニ オケル ギイン テイスウ ト ギイン ホウシュウ ノ ヘンカ

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抄録

2002年度から09年度にかけて、1,718市町村(東京23区、02年度以前に合併した市町村などを除く)の議員定数は57,179人から33,022人へ42.2%減少した。非合併市町村では16.7%減であったが、合併市町村では58.5%の大幅減となった。合併した580市町村のうち123団体では、当時の法定上限定数を最大限利用するかもしくはそれを超過した定数を設定している。しかし、合併後の経過年数とともに法定上限定数を下回る市町村が増加している。定数の削減に伴い、議員定数1人あたり人口は、全体で2,064人から3572人へ73.0%増加した。非合併市町村では21.6%増であったが、合併市町村では130%以上増加した。にもかかわらず、合併市町村の議員定数は、非合併市町村の水準に比較して15%あまりなお多いと推定される。 合併市町村の平均報酬月額は、全般に旧市町村の最大値にあわせて決められたとみられる。非合併市町村では平均報酬月額は低下したのに対し、合併市町村では上昇した。とりわけ人口10万人未満の282都市のうち97都市(すべて町村から都市に昇格した新設合併によって誕生)では、平均報酬月額の伸びが1.2倍を超えている。これらの都市では、県内の既存都市などの水準を参考にしながら、自身の財政状況とは関係なく平均報酬月額を決めたと推察される。議員定数の削減に伴い、議員報酬総額は2,409億円から1,423億円へ41.0%減少した。非合併市町村で14.9%減、合併市町村では56.5%減であった。議員定数1人あたりの議員報酬総額は全体として横ばいであったものの、人口1人あたり議員報酬総額は、非合併市町村で18.6%、合併市町村では51.0%、合計で29.0%、それぞれ減少した。

収録刊行物

  • 地域経済研究

    地域経済研究 27 3-26, 2016-03

    広島大学大学院社会科学研究科附属地域経済システム研究センター

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