幼児の協同的問題解決能力を育む「遊び込み」 -量的データと保育実践研究データの統合による考察-

書誌事項

タイトル別名
  • Developing Toddlers’ Cooperative Problem-Solving Abilities Through “Totally-Absorbed Play”: Integrating Quantitative Data and Educational Practices

この論文をさがす

抄録

本研究では,幼児の自己調整力,見通しをもつ力,好奇心探究心を,協同的問題解決に必要な力と位置づけ,「遊び込む」ことで,これらの力が高まるのかを検討した。また,上越教育大学附属幼稚園における一連の実践研究の分析結果との統合を試みた。そして,質的データと小規模サンプルの量的データとを用いた混合法の意義を論じた。2014 年~2016 年,毎年1 月に,保育者が個々の幼児について質問紙に回答した。対象幼児は,各年, 59,57,47 名だった。縦断的パス解析の結果,「遊び込む」ことで,協同的問題解決に必要な力が高まる可能性が示唆された。これらの要因は,上越教育大学附属幼稚園(2016)で見出された力と重なることも考察された。本研究から以下の3 点が論じられた。(1)量的データからの知見が実践知とマッチすると,数量データと実践知双方の価値を高める。(2)教育研究における混合法は,ある教育介入とその結果との間の複雑な関係を取り扱うことが出来る。(3)個別の学校の小規模データも,個に応じた実践のための貴重な情報となる。

収録刊行物

  • 教育研究

    教育研究 (59), 63-76, 2017-03-31

    国際基督教大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ