ヤクスギ・アキタスギにおける仮道管径の幹基部への拡大と樹齢・樹高の関係

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of tree age and height on vertical conduit widening in <i>Cryptomeria japonica</i> (Yaku-sugi and Akita-sugi)

説明

<p> 樹木の道管や仮道管の直径が枝先から幹基部にかけて拡大する現象(conduit widening)は、樹高成長に伴う通水抵抗の増大を緩和する重要な機構である。本研究では、ヤクスギ(300および1000年生、ともに樹高約30m)とアキタスギ(250年生、約樹高約50m)のwideningを調べ、樹齢が700年異なるヤクスギを比較することでこの現象に対する樹齢の効果を、樹高が約20m異なる300年生ヤクスギと250年生アキタスギを比較することで樹高の効果を検証した。</p><p> wideningの指標となる、幹上部から幹下部にかけての平均仮道管径の拡大率(β)は、樹齢・樹高によらず一定であった。一方、ヤクスギの仮道管直径はアキタスギの約半分と小さかった。ヤクスギの7個体中2個体では、幹中部と下部の仮道管径の平均値には差が見られなかった。</p><p> これらのことから、スギにおけるwideningは樹齢や樹高にかかわらず、通水抵抗の増大を緩和する普遍的な機構であることが示唆された。一方で、アキタスギと比較してヤクスギでは、wideningの通水抵抗を緩和する効果に制約がかかっている可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472558075136
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_414
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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