肛門周囲に生じ非典型的な外観を呈した基底細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A case of basal cell carcinoma in the perianal area with an unusual clinical appearance

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説明

<p>74歳,男性。5ヵ月前より肛門付近の小腫瘤を自覚していた。当院初診時,肛門近傍,右外側に小豆大の半球状に隆起した病変を認め,弾性やや軟,可動性は良好であった。中央は淡褐色調であり,粉瘤,皮膚線維腫,皮膚付属器腫瘍などを鑑別疾患に考え皮膚生検を施行した。病理組織学的に,一部で毛包と連続性を持ち真皮から皮下脂肪織にかけて増殖する腫瘍を認めた。腫瘍は大小の胞巣を形成しており,一部で角質を有する囊胞を形成していた。胞巣内外にはムチン沈着がみられ,胞巣周囲に裂隙形成がみられた。腫瘍細胞は胞巣辺縁で柵状に配列する傾向がみられた。免疫染色にて腫瘍細胞はBer-EP4(+),EMA(-),CK20(-)であった。これらの結果から基底細胞癌(basal cell carcinoma;BCC)と診断し全切除術を施行した。本症例は皮膚腫瘤の外観や肛門近傍に存在したことから初診時においてBCCを疑うことが困難であった。また過去の報告でも肛門周囲に発生するBCC自体も稀であるため,今回,文献的考察を含めて報告する。</p>

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