<研究論文>フレーム構築と動員メカニズム: 2015年安保法に反対する学生団体SEALDsを事例に

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タイトル別名
  • <Research Articles>Frame Construction and Mobilization Mechanisms: The Case of the SEALDs as a Student Group Opposing the 2015 Japanese Military Legislation

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説明

社会運動のフレーム理論によれば、社会運動組織は診断的フレーミングによって問題の原因を説明し、予言的フレーミングによって解決策を提示し、動機付けフレーミングによってその解決策を支持する理由を提供することで、活動の正当性と必要性を高めることができる。本研究では、学生運動団体SEALDsがその動員活動で構築したフレームについて検討した。その結果、SEALDsは診断的フレーミングにおいて、民主主義から遠ざかっていた当時の政権や、若者の政治に対する主体的思考の欠如を批判したことが明らかになった。次に、予言的フレーミングを通じて、若者の当事者性を高めるための共通理解を深める対話や、野党連合・市民連合という解決策を提案したことが確認された。さらに、動機付けフレーミングにより、若者に日本の未来と民主主義を守る責任感と切迫感を促したことが明らかになった。このようなフレーミングは、問題に対する共通理解を形成し、運動へのコミットメントを促進するのに役立った。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 17 1-24, 2025-03-15

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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