自己解離反応から見た現代の溶媒

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  • Autoprotolysis in Modern Solvents
  • ジコ カイリ ハンノウ カラ ミタ ゲンダイ ノ ヨウバイ

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説明

<p>酸塩基反応は分離や濃縮など分析化学的操作の起点である.水が酸塩基反応の媒体となり得るのは,水がH供与性と受容性を併せ持つためである.非水溶媒でも同じ性質を持つものがある.これらの溶媒中では自己解離反応が起こっており,この反応は酸塩基反応媒体として最も基本的である.本稿では,近年,酸塩基反応媒体として注目されている,プロトン性イオン液体(PIL),超濃厚電解質水溶液,及び深共融溶媒(DES)中における自己解離平衡や関係する酸塩基反応について得られた,著者のこれまでの成果を概説する.PILでは,構成イオンの水溶液中の酸塩基性が,PILの酸塩基挙動におおむね反映されていると結論付けられた.リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド超濃厚電解質水溶液では,Debye-Hückel理論からの予想に反して,水素イオン活量がエンタルピー的な要因によって増加し,結果として自己解離反応が抑制されることが示された.DESにおいては,自己解離平衡に成分間の相互作用が影響することが示唆された.これらの知見は,新しい溶媒の酸塩基特性の理解と溶媒設計への指針において,重要な示唆を与えるものである.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 74 (9), 469-478, 2025-09-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (41)*注記

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