甲状腺髄様癌の細胞診断学的特徴の究明

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タイトル別名
  • Determination of the cytologic features of medullary thyroid carcinoma

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説明

<p>目的 : 甲状腺髄様癌の細胞診所見について検者間誤差の生じにくい細胞所見と核の計測値を用いて診断に有用な所見を検索し, 診断率向上と診断のアルゴリズムの提案を検討する.</p><p>方法 : 髄様癌 78 例, 乳頭癌 20 例, 低分化癌 20 例, 濾胞癌 20 例の細胞診標本を対象に, 細胞形態学的鑑別, 細胞計測, 統計学的解析を行い, 髄様癌の鑑別に有用な項目を求めた.</p><p>成績 : 髄様癌の診断に有用な所見は, 1) 粗顆粒状のクロマチン, 2) 4 核以上の多核腫瘍細胞, 3) アミロイド, 4) 核の縦横比 1.6 以上, 5) 核の縦横比 CV 25%以上, 6) 核の長径の最小値と最大値の比 3.7 以上であった. これらの所見は髄様癌 59 例に認められ, 乳頭癌, 濾胞癌, 低分化癌には認められなかった. さらに, ロジスティック回帰分析により髄様癌 7 例を推定した.</p><p>結論 : 検者間誤差が生じにくい細胞所見および計測値を用いたアルゴリズムを用いることにより, 髄様癌の 84.6%が診断可能であった.</p>

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