限局性十二指腸拡張症の1例

  • 馬場 徳朗
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 川野 孝文
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 池江 隆正
    済生会川内病院小児外科
  • 大西 峻
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 中目 和彦
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 向井 基
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 加治 建
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 義岡 孝子
    国立成育研究医療センター病理診断部
  • 野口 啓幸
    鹿児島市立病院小児外科
  • 家入 里志
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Segmental Dilatation of the Duodenum: A Case Report
  • 症例報告 限局性十二指腸拡張症の1例
  • ショウレイ ホウコク ゲンキョクセイ ジュウニシチョウ カクチョウショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>稀な限局性十二指腸拡張症(以下本症)の1例を経験したので報告する.症例は1歳女児.検診にて腹部膨隆を指摘され,精査目的に当院へ紹介となった.腹部レントゲン検査で上部消化管の拡張像を認め,腹部CT検査で,胃から連続する拡張した管腔構造を認めた.上部消化管造影検査では著明な十二指腸の拡張とトライツ靭帯形成不全を認めた.限局性十二指腸拡張症,腸回転異常症の術前診断にて手術の方針とした.手術所見では十二指腸下行脚の著明な拡張を認めた.術中の上部消化管内視鏡にて,肛門側に狭窄などの通過障害となる異常所見は認めず,Vater乳頭の位置を確認し,自動縫合器を用いた十二指腸の拡張部位の部分切除による十二指腸縫縮形成術を行った.術後経過は良好で19日目に退院となり,7年経過した現在も症状の再燃はない.本症は非常に稀な疾患であるが,小児の腹部囊胞性病変をみた際に念頭に置く必要があると考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ