亜急性甲状腺炎との鑑別が困難であった橋本病急性増悪の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of painful Hashimotoʼs thyroiditis with difficulty of different from subacute thyroiditis
  • 症例報告 亜急性甲状腺炎との鑑別が困難であった橋本病急性増悪の1例
  • ショウレイ ホウコク アキュウセイ コウジョウセンエン ト ノ カンベツ ガ コンナン デ アッタ ハシモトビョウ キュウセイ ゾウアク ノ 1レイ

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抄録

<p>橋本病急性増悪は,橋本病に急性炎症症状を伴う稀な疾患である。今回,亜急性甲状腺炎と鑑別が困難であった橋本病急性増悪の1例を経験したので報告する。症例は14歳,女性。2年前に学校検診で橋本病と診断された。1年10カ月前に甲状腺腫大増悪,頸部右側の圧痛を認めた。血液検査所見では,甲状腺機能正常であり,抗Tg抗体277IU/mL,抗TPO抗体246IU/mLと高値であった。白血球,CRPは正常値であり,赤沈の軽度亢進を認めた。亜急性甲状腺炎もしくは橋本病急性増悪が疑われ,NSAIDsが投与された。しかし,頸部疼痛が改善せずprednisolone(PSL)投与が開始された。治療中,疼痛部位は移動した。また,血液検査所見で自己抗体値が低下したため,亜急性甲状腺炎の可能性も否定できなかった。PSL投与後,症状は軽減したが,PSL漸減で疼痛が再燃し,PSL中止が困難であった。再燃を繰り返すことから橋本病急性増悪と診断した。PSLの離脱困難なため手術の方針となり,甲状腺全摘を行った。</p>

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