秋季における自然観察会が心身に与えるリラックス効果とは?

DOI
  • 高山 範理
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所企画部
  • 佐野 由輝
    林野庁森林整備部 治山課
  • 伊藤 弘
    筑波大学大学院人間総合科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • What are the restorative effects of nature observation experience in the fall on our mind and body?

抄録

<p> 本研究では、秋冬季の都市近郊林での自然観察会の参加によって、参加者の心身に生じる影響について探索的に調べた。被験者は31名の大学院生であり、唾液アミラーゼ活性とPOMS、ROSをそれぞれ生理指標・心理指標として、自然観察会の前後で心身の状態を調べた。</p><p> 調査・分析の結果、生理指標の唾液アミラーゼ活性は自然観察会の参加後に上昇し、身体的なストレスが増加したことが確認された。また、心理指標の気分の状態を調べたところ、自然観察会に参加した後に、緊張-不安、怒り-敵意、混乱の三項目が有意に低下し、主観的回復感が有意に上昇した。これらの結果は、屋外の寒さや長時間の運動効果によって身体的にはやや疲労したが、自然観察会で身近な自然にふれたこと、動植物への理解が深まったこと等により、心理的状態の回復が達成された結果だと思われた。</p><p> 今回の調査結果から、専門家によって行われる自然観察会では、長時間の屋外での活動によって、身体的な疲労等は生じるものの、それが即ち心身のストレスを意味するのではなく、特に心理的な回復は担保されることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390566775155086464
  • NII論文ID
    130007880716
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_348
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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