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非特異性腰痛に対する治療戦略
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- 松村 将司
- 杏林大学保健学部 理学療法学科
Bibliographic Information
- Other Title
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- ―OMPTの立場から―
Description
<p> 腰痛を一度も経験したことがないという人は少ないのではないだろうか。平成28年の国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)においても,腰痛は有訴者率で男性の1位,女性の2位となっている。臨床場面においても,腰痛を主訴として来院する方は多く,また,他部位を主訴として来院しても,腰痛を併発している方は少なくない。また,最近では一般的に知られることとなっているが,医師の診察や画像所見により病態が明確化できる特異的腰痛は,プライマリケアにおいて約15%であり,約85%は原因が明らかにできない非特異的腰痛と言われている。</p><p> しかしながら,理学療法士は腰痛を有する患者に対応している。つまり,原因が明らかにできない非特異的腰痛を評価し治療しているはずである。この時点で非特異的腰痛は理学療法士の評価により,“非”特異的腰痛ではなくなっているのではないだろうか。現在,非特異的腰痛に対しては症状や状態に応じてclassificationを実施し,それぞれの分類に対してアプローチしていく手法も取られている。当然,この中には運動を主体としたものも含まれている。また,心理社会的要因も考慮され,患者の持つ思考や信念,とりまく環境なども把握しておく必要があると言われている。</p><p> このように非特異的腰痛に対しては未だ完全なコンセンサスが得られた方法はない状況であることを理解したうえで,整形徒手理学療法士(OMPT)の立場から非特異的腰痛に対する評価と治療について概説する。</p><p> 最初に行う問診は徒手理学療法の中でも重要な部分を占め,現病歴(受傷機転や発症からの経過も含めて),疼痛部位,悪化要因,軽減要因など多岐に渡って確認する。中でも,悪化要因と軽減要因を明確にすることが,原因を特定するためにも重要である。問診の段階で,原因となる領域や組織,問題は関節の過可動性(hypermobility)なのか低可動性(hypomobility)なのかなど,最初の仮説を立て,続く客観的評価で検証していく。</p><p> 客観的評価として,視診によって静的・動的アライメントを確認する。特に本人が症状を訴える動作については注意深く実施する。動作を確認し症状の出現する状況を明確にした後,機能的運動テストとして,関係する関節の自動・他動運動を確認し,どの運動のどの位置で症状が出現,増悪するのかを見極め,症状が再現される動きを確認する。さらに,症状局在テストによって,どの部位(分節)が原因であるのかを鑑別する。</p><p> そして,関節副運動(joint play)テスト,筋の長さテスト,スパズム,圧痛などの確認も行う。医学的所見や禁忌の確認まで終了した段階で,得られた評価結果から,症状の発生機序と原因組織を検討する。</p><p> 以上の評価から得られた結果に基づき,治療を実施していく。基本的には低可動性の部位に対しては軟部組織・関節モビライゼーションを実施し,過可動性の部位に対してはstabilization exerciseを実施する。日常生活において症状を悪化する恐れのある動作については修正し,注意する点や自宅でできる運動を伝える。</p><p> このように非特異的腰痛の評価では,全身をみることに加え,分節の可動性など局所的な評価や治療が実践できることも重要である。そのためには知識だけではなく,技術的なトレーニングも必須であり,様々な手段・方法があることを理解した上で,理学療法士は自己研鑽しなければならないと考える。</p>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 47S1 (0), A-18-A-18, 2020
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390569015606743424
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- NII Article ID
- 130008010309
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed