Study on Potential Improvement of Peer Reading Class on the Basis of Learners' Emotional Evaluation of the Class: From the Data on the Reading Comprehension Class for Academic Writing

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  • 学習者の情意面の評価に基づくピア・リーディングの授業改善の可能性 : 学術的文章を読む読解授業の談話データから
  • ガクシュウシャ ノ ジョウイメン ノ ヒョウカ ニ モトズク ピア ・ リーディング ノ ジュギョウ カイゼン ノ カノウセイ : ガクジュツテキ ブンショウ オ ヨム ドッカイ ジュギョウ ノ ダンワ データ カラ

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本研究は学術的文章のピア・リーディングの実践において,学習者による授業に対する情意面の評価と,グループ・ディスカッションのメンバー構成,および学習者の発話回数と発話機能を組み合わせて分析したものである。授業全体に対する評価では,まず一人で文章を読んで課題に取り組み,ディスカッションを行い,クラス全体にフィードバックするという授業の流れが学習者におおむね受け入れられていた。また,各回の授業に対する評価では,ディスカッションへの評価が肯定的な学習者で構成されたグループは,メンバーが当該回の授業を高く評価する傾向が見られ,グループ・ディスカッションの談話データから,メンバーがディスカッションの中で自分の読みを深めていることがわかった。しかし,同様の構成のグループのメンバーでも,課題の難しさや課題に取り組む時間の短さによって一人で文章を読む段階が不十分な場合に,当該回の授業に対して否定的評価をする例が見られた。また,ディスカッションにおけるメンバー間の発話回数,発話機能に偏りがあると,否定的評価につながりがちであった。さらに,課題に対するグループとしての解答をどのように決めているかを分析したところ,メンバー全員が当該回の授業に対して肯定的評価をしているグループは,多数決で解答を決めることはしておらず,発話回数の偏りも少なかった。このようなグループは良いディスカッションができていると考えられる。また,空欄に接続詞を入れる課題と空欄に数文を入れる課題では,ディスカッションの問題点に違いが見られた。これらのことから,ピア・リーディングを効果的なものにするには,①適切な課題設計と,課題解答段階での要を得た指示,②ディスカッションに対する学習者の肯定的な姿勢の醸成,③学習者のディスカッションに対する情意的評価を考慮したグループ構成と,メンバー全員がそれぞれの役割を果たせる仕掛け作りが必要であることが示唆された。

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