湾岸諸国へのインド人出稼ぎ移民送出システム : デリー・ジャミア地区の人材斡旋業者に着目して <研究ノート>

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タイトル別名
  • Transfer System of Indian Emigrant Workers to the Gulf Countries: Focusing on Recruiting Agents in Jamia Nagar, Delhi <Research Note>
  • 湾岸諸国へのインド人出稼ぎ移民送出システム : デリー・ジャミア地区の人材斡旋業者に着目して
  • ワンガン ショコク エ ノ インド ヒトデ カセギ イミン ソウシュツ システム : デリー ・ ジャミア チク ノ ジンザイ アッセンギョウシャ ニ チャクモク シテ

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説明

インドから湾岸諸国に50万人の出稼ぎ移民が毎年新規に送出されている。本研究は,出稼ぎ移民送出にかかわる制度的枠組みを踏まえた上で,その中心的なアクターである人材斡旋業者に着目して,送出システムの実際を明らかにすることを目的とする。インドでは出稼ぎを目的とする移民に関しては,1983年制定の移民法によって制度的な骨格が定められている。そこにおいて,移民送出に介在できる人材斡旋業者は移民保護官から認可されたものに限られるとされている。調査時点ではインド全体で1,213業者が認可登録されているが,その半数以上はムンバイーに立地しており,これにデリーが続いている。ただし,出稼ぎ移民の出身地はウッタル・プラデーシュ(UP)州 から西ベンガル州に至る地帯であり,人材斡旋業者の立地とは対応しておらず,両者を結ぶ媒介項が必要である。こうした問題意識を持ちながら,デリーのジャミア地区に所在する20 業者を訪問し,出稼ぎ移民送出システムにおけるそれらの位置づけや事業の内容に係わる情報を得た。同地区には,認可業者のほか,他州に本社を置く認可業者の支社,そして非認可業者が立地している。非認可業者の多くは,認可業者に労働者を斡旋する機能を有している。また,各業者はUP州やビハール州の個人業者を活用して労働者を集めている。こうしたネットワークにより,絶えず労働力を汲み上げる仕組が形成されている。

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