「ふつう」であることの安心感(2):集団規範からの逸脱という観点から

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タイトル別名
  • Are Normative Japanese Happy?: Reconsideration of “Futsu” Conception among Japanese
  • フツウ デ アル コト ノ アンシンカン 2 シュウダン キハン カラ ノ イツダツ ト イウ カンテン カラ

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抄録

日本人における「ふつう」概念の重要性について検討するため,場面想定法を用いた 3 つの質問紙実 験をおこなった.自己が周囲の他者と同じ行動をとる状況と異なる行動をとる状況を設定し,感情状態 への影響を検討した.研究 1 では,拘束力の高い状況と低い状況を設定して検討したところ,拘束力の 高い状況においては周囲の他者と同じ行動をとることが感情状態に影響を与えることが示唆された.研 究 2 では,命令的規範と記述的規範を独立に操作して検討をおこない,周囲の他者と同じ行動をとるこ とが否定的感情や安静状態に影響を与えていることが示唆された.研究 3 では,文化的規範からの逸脱 の程度を 3 水準設定して検討をおこない,周囲の行動が極端に逸脱した状況以外では,否定的感情と安 静状態への影響が認められた.3つの研究を通じて,他者と比較して「ふつう」であることが否定的感情 の低さや安静状態の高さをもたらすことが明確となった.

収録刊行物

  • 教育研究

    教育研究 (51), 43-51, 2009-03-31

    国際基督教大学

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