炎症性腸疾患に対するインフラマソーム標的治療法の開発
Description
<p>【背景と目的】近年, 炎症性腸疾患(IBD)患者の急増とともに, 治療抵抗性の難治例が増加し, 病態に応じた新規治療薬開発が課題となっている.その病態には粘膜免疫の破綻,腸内細菌の関与とともに,両者を制御するインフラマソーム経路の重要性が認識されている.私達は, 治療抵抗性のIBD患者の血液, 腸管組織においてインフラマソーム関連サイトカインであるインターロイキン18(IL-18)の発現の上昇を見出した.本研究の目的は, 難治性IBDへの治療応用を見据え, 抗ヒト活性型IL-18モノクローナル抗体を作成し, IBDモデルマウスを用いて腸炎抑制効果, 作用機序の解明を行うことである.【方法】ヒトIL-18プロ体をカスパーゼで切断し活性型IL-18を作製し,ヒト活性型IL-18に対するモノクローナル抗体を樹立した.構造解析,機能阻害アッセイを行い, 阻害効果を持つ抗体を選別した.DSS誘導性腸炎モデルマウスを作成し, 抗IL-18抗体の腹腔内投与を行い, 腸炎スコア, 体重減少率を評価した.病理学的評価, 炎症性サイトカインの発現, FITC-Dextranの透過量の測定, NGSによる腸内細菌叢の解析を行った.【結果】高い親和性でIL-18と結合し, IL-18が誘導するIFN-γ産生を強力に抑制する抗ヒト活性型IL-18抗体の作成に成功した.抗体投与により腸炎の改善を認め, IFN-γ, TNF-αの発現抑制, FITC-Dextranの透過量の低下, 腸炎により増加したEnterococcus属, Staphylococcus属の低下を認めた. 更に抗TNF-α抗体との併用ではより強力に腸炎を抑制した.【結論】抗IL-18抗体は, 炎症性サイトカインの分泌抑制に加え, 腸内細菌叢の制御,腸管上皮透過性亢進の改善を介して腸炎を改善させた. 既存治療薬との併用により腸炎抑制効果の増強が認められ,難治例への治療応用が期待される.</p>
Journal
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- Proceedings of the Japanese Society of Small Intestinal Disease
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Proceedings of the Japanese Society of Small Intestinal Disease 5 (0), 51-51, 2021
The Japanese Society of Small Intestinal Disease
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390572590015298304
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- NII Article ID
- 130008161124
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- ISSN
- 24347019
- 24342912
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed