60歳以上の中高齢者における勇気ある思考や行動と主観的健康感との関連性

  • 谷口 善昭
    九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 鹿児島大学 医学部 客員研究員
  • 赤井田 将真
    鹿児島大学 医学部 保健学科 鹿児島大学大学院 保健学研究科
  • 白土 大成
    鹿児島大学 医学部 保健学科 鹿児島大学大学院 保健学研究科
  • 立石 麻奈
    鹿児島大学 医学部 保健学科
  • 牧迫 飛雄馬
    鹿児島大学 医学部 保健学科

説明

<p>【目的】</p><p> パーソナリティは、疾患や死亡リスクと関連性が示されており、なかでも勇気ある思考や行動は、健康的な生活を送るうえで重 要な要素となり得る。主観的健康感は、健康増進を考えるうえで重要な指標のひとつである。本研究は勇気ある思考や行動と主観的健康感との関連性を明らかにすることを目的とした。 </p><p>【方法】</p><p> Yahoo!クラウドソーシング利用者へのWEB調査 (2021年6月21日~28日)で同意が得られ、適格基準を満たした60歳以上の中 高齢者750名 (平均65.2±4.8歳、女性31.6%)を横断的に分析した。勇気は、Values in Action Inventory of Strengths (VIA-IS)の一部である8つの質問に対して、5件法で回答を得た (1:全くあてはまらない~5:とてもよくあてはまる)。主観的健康感は、「あなたは普段ご自分で健康だと思いますか」の質問に対する回答から不良群 (健康ではない・あまり健康ではない)と良好群 (まぁ健康な方だと思う・非常に健康だと思う)に分類した。従属変数に主観的健康感、独立変数は勇気、さらに勇気の下位項目である勇敢、勤勉、誠実性、熱意としたロジスティック回帰分析を行った (共変量:年齢、性別、服薬数、精神的健康度 (K6))。その後、性別で層別化したロジスティック回帰分析を行った。 </p><p>【結果】</p><p> 主観的健康感の良好群は71.6%、不良群は28.4%であった。ロジスティック回帰分析の結果、勇気の得点が高いほど主観的健康感が良好群であるオッズ比 (OR)と95%信頼区間 (95%CI)は 1.12 (95%CI 1.07-1.18)と有意な関連性を認めた。また、勇気 のすべての下位項目と主観的健康感で有意な関連を認めた (勇敢OR1.14、95%CI 1.01-1.28、勤勉OR1.21、95%CI 1.06-1.38、誠実性OR1.34、95%CI 1.16-1.54、熱意OR1.32、95%CI 1.15-1.53)。男性では勇気 (OR1.15、95%CI 1.09-1.22)、勤勉 (OR1.24、95%CI 1.07-1.45)、誠実性 (OR1.50、95%CI 1.26-1.77)、熱意 (OR1.46、95%CI 1.23-1.73)において主観的 健康感と有意な関連性を認めたが、女性では勇気のすべての項目で主観的健康感との関連性を認めなかった。 </p><p>【考察】</p><p> 60歳以上の中高齢者において、勇気の得点が高いほど主観的健康感が良好であることが示唆され、特に男性では勇気があるほど主観的健康感が良好であった。理学療法の場面において、性別を考慮しながら勇気ある思考や行動ができるようにサポートすることは、主観的健康感を高めることにつながるかもしれない。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は、鹿児島大学疫学研究等倫理委員会の承認 (210020疫)を得て実施した。対象者には、目的と内容を文章にて提示し、同意を得た。</p>

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