機械学習による気象準観測データ作成手法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • The creation method of quasi-observation meteorological data by machine learning
公開日
2025
DOI
  • 10.11520/jshwr.38.0_127
公開者
水文・水資源学会

説明

<p>近年の地球温暖化やそれに伴う気候変動の進行に伴い,世界各地で極端降水などの異常気象が頻繁に生じている.IPCC第6次報告書第1作業部会は,降水や干ばつを含めた,世界全体の水循環が悪化すると予測している.そのため,持続可能な水環境を保全するためには,気候変動に伴う影響に対して,適切な将来予測に基づく適応策を実施することが重要となる.多くの既存の研究では,大気大循環モデル(General Circulation Models: GCMs)の出力値が流域水環境や水害などに与える気候変動影響評価に利用されている.GCMsは,全球の大気変動を計算機上で再現するものである.しかしながら,GCMsの出力値には観測値との間にバイアスが存在しており,このバイアスを高精度に補正するには,長期間の観測データ(例えば20年以上)が必要となる.一方で,水文気象観測データ(例えば,降水量や気温,風速等)が乏しい流域は世界中に多く存在する.そのような流域では,データ同化の適用により解析値が得られる再解析データが補正に利用される.しかし,再解析データは空間解像度が数10~数100 mと粗いうえ,観測値との間にバイアスが存在する.このような再解析データを補正に使用した場合,バイアスが積み重なり,不確実性の高い将来予測結果を得る可能性がある.このような問題を解決するため,原田らは,再解析データに力学的ダウンスケーリング(DS)を適用し,時空間解像度の高解像度化を行った.ただし,力学的DSは計算コストが高く,発展途上国のような限られた開発環境下では計算資源の不足により実施が困難である.一方で,統計的な手法は,物理的な影響の考慮は困難であるものの,計算コストが低く,少ない計算資源で短時間の間にデータ作成が可能である.和田らは,再解析データの気温,大気圧,全天日射量,湿度,風速に関して,統計的なバイアス補正手法の検討を行っている.しかし,この補正は各気象要素単体で行われており,他の気象要素との関連性が考慮されていない.つまり,この手法を用いると,日射量が多いならば降水量は少ない等,実際の気象現象でみられる気象要素間の関係を補正に活用できない.そこで,本研究では,機械学習手法の1つである勾配ブースティングを用いることで,気象要素間の関連性を考慮し,より精度の高い水文気象準観測データの作成を行うことを目的とした.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390587970420131456
  • DOI
    10.11520/jshwr.38.0_127
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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