踵への補高が肩関節挙上動作時の脊柱彎曲に及ぼす影響
書誌事項
- 公開日
- 2019
- DOI
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- 10.14900/cjpt.46s1.h2-260_1
- 公開者
- 日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
説明
<p>【はじめに、目的】胸郭上を浮遊する肩関節は、身体各部からの影響を受けやすい特徴を有している。肩関節挙上動作は肩甲上腕リズムを有し、上腕骨の運動に肩甲骨が追従するように運動することで大きな可動域を作り出すことが可能になる。体幹は挙上最終域の主たる運動に関わることや、150°以降の挙上で胸椎後彎が減少し伸展方向の運動が起こると報告されており、肩関節挙上動作を完遂するにあたり、肩甲胸郭関節や脊柱の可動性が重要になることは周知の事実である。臨床において、踵へ補高することで立位での脊柱の可動性や肩関節機能が改善することを経験する。足部から姿勢制御や身体の運動に介入することは、インソールの考え方などから臨床的に行われていることである。過去の報告では足関節の角度を調整し、肩関節挙上時の脊柱彎曲をスパイナルマウスにて計測しているが、計測時の挙上角度が150°前後となっており、脊柱の機能を引き出すには不十分な条件にあると考える。本研究の目的は、踵への補高が肩関節挙上時の脊柱の可動性に与える影響について明らかにすることである。仮説では、踵への補高は肩関節挙上時の胸椎・腰椎彎曲に影響を与えると考えた。</p><p>【方法】対象は下肢体幹に整形外科的な既往の無い健常若年男性9名(平均年齢28.3歳±4.4歳、身長173.2cm±7.2cm、体重67.4kg±4.6kg)とし、胸椎・腰椎彎曲をスパイナルマウスを用いて計測した。胸椎彎曲はTh1/2からTh11/12の分節的彎曲の合計、腰椎彎曲はTh12/L1からL4/5の分節的彎曲の合計とした。計測内容は両側上肢下垂位、両肩関節最大挙上位とする。この計測を静止立位の状態(静止立位群)、踵に20cmの補高をした状態(補高群)の2条件で行った。各条件での胸椎・腰椎の彎曲を比較・検討した。各条件での比較はWilcoxon符号順位検定を用いた。有意水準は5%未満とした。</p><p>【結果】静止立位群と補高群の下垂位での胸椎・腰椎の彎曲において、有意な差は認めなかった。静止立位群と補高群の最大挙上位の胸椎・腰椎の彎曲において、有意な差を認めなかった。</p><p>【結論(考察も含む)】本研究は踵への補高が肩関節挙上時の胸椎・腰椎彎曲に及ぼす影響について実験を行った。静止立位群と補高群の最大挙上位での胸椎・腰椎の彎曲に有意な差は得られなかった。これは足関節の肢位の変化に対して膝や股関節が制御、吸収したことで脊柱の彎曲に変化が及ばなかったと推察する。このことから膝や股関節の機能を維持することが体幹や脊柱の状態を維持させるために重要になることが示唆された。本研究では、膝や股関節の計測を行っておらず膝や股関節の変化に対する検証がなされていないため、今後検討が必要と考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究の参加者には、事前に研究の目的、方法、内容を説明し、同意を得てから実施した。本研究の実施において当院倫理員会の承認を得た。</p>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 46S1 (0), H2-260_1-H2-260_1, 2019
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713087998848
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- NII論文ID
- 130007693834
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可
