当院における小腸内細菌異常増殖(SIBO)の診断・治療の現状と問題点
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説明
<p>【背景】 近年、小腸内細菌異常増殖(SIBO)と様々な疾患とのかかわりが指摘され注目されている。その診断法として腸吸引液の定量培養、あるいは水素・メタン呼気試験が有用とされているが、一定の見解は得られていない。</p><p>【目的】 当院では2018年度から水素・メタン呼気分析装置(Breath Gas Analyzer BGA-2000D:呼気生化学栄養代謝研究所)をSIBOの診断として用いている。診断・診療の現状と問題点につき考察を行った。</p><p>【結果】 これまでに健常者20人、患者20人に対し呼気試験を行ってきた。偽陽性を避けるため、呼気試験検査前の食品制限や、禁食時間の設定、検査当日の口腔内洗浄などの工夫が必要であった。摂取する糖質は患者への負担を考えグルコース50gを使用しており、糖尿病患者のみラクツロース10gを用いているが、ほぼ問題なく施行できている。</p><p>【考察】 呼気試験は食事内容の影響を受けやすく、前処置や診断基準について一定の見解がないことが問題である。基礎疾患のない健常者において適切な前処置を行った場合でも糖質負荷前の呼気中水素濃度が高いことがある。そのため診断基準には負荷前の基礎値と負荷後のpeak値の差を用いることが有用と考えられる。当院では負荷前後で呼気中水素濃度が20ppm以上上昇した場合を陽性としているが、診断基準作成のためにはさらに症例の蓄積が必要である。</p>
収録刊行物
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- 日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
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日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 3 (0), 45_1-45_1, 2019
日本小腸学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390846609794018048
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- NII論文ID
- 130007787160
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- ISSN
- 24347019
- 24342912
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可