診断に難渋した脊髄梗塞の1例

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  • A case of spinal cord infarction which was difficult to diagnose

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<p>【背景】脊髄梗塞は脳梗塞に比べ稀な疾患であり, 全脳卒中の1~2%といわれており未だ不明な部分が多い。生活レベルに大きく影響する緊急性の高い疾患であるため, 原因検索や診断, 治療に関する検討は重要であると考えられる。 【症例】脳梗塞の既往があり, 抗血小板薬を内服していた70代男性。第1病日に足底のしびれを感じ, 次第に立位歩行困難となり, 排尿感覚が消失した。当院来院時, 四肢の筋力低下はなくTh12~L1以下の左右対称性の触覚・温痛覚・振動覚・位置覚の著明な低下があり膀胱直腸障害も認めていた。第2病日に脊髄MRIを施行するも明らかな所見は認められなかった。第9病日の三度目に撮影した脊髄MRIにてTh12レベルの髄内にT2高信号域が出現し, 脊髄梗塞と診断した。 【考察】発症時に脊髄MRIのT2強調像で脊髄梗塞が描出されるのは4~6割であり, 発症時に陰性のこともあるため, 脊髄梗塞を疑った際には繰り返しMRIを施行することが重要である。</p>

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