口腔領域に発症した悪性リンパ腫の臨床的検討

  • 山村 佳子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 真野 隆充
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 鎌田 久美子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 横田 美保
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 福田 直志
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 髙丸 菜都美
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 工藤 景子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 栗尾 奈愛
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野
  • 宮本 洋二
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A clinical study on malignant lymphomas arising in the oral region

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抄録

2008年から2018年までの11年間に当科で口腔領域に発症した悪性リンパ腫の18例について臨床的特徴を調べた。患者は,平均年齢が70.2歳の男性10例,女性8例であった。原発部位の10例(55.6%)は上顎歯肉で,初期症状は15例(83.3%)で腫瘤と腫脹であった。7例(38.9%)が初診時に臨床的に悪性リンパ腫と診断されたが,その他の11例は正しく診断することが困難であった。腫瘤形成や潰瘍のような様々な臨床症状が診断を困難にしており,1回の生検では確定診断が得られなかった。そこで,血液検査値が診断の指標であるかどうかを検討した。われわれの結果は,17例中8例のLDH(47.1%)と16例中11例のsIL-2R(68.8%)が高い値を示していた。さらに,われわれはリンパ球/単球数比(LMR)が診断に役立つかどうかを調べた。LMRの値は,17例中13例(76.5%)が有意に低く,非ML患者と比較しても有意差を認めた。以上のことより,LMRの血液検査も診断の補助的なマーカーであると考えられた。

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参考文献 (10)*注記

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