太陽黒点観測に見る近世後期の天文認識

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タイトル別名
  • Astronomical Awareness seen in Observations of Sunspots in Late Modern Period
  • タイヨウ コクテン カンソク ニ ミル キンセイ コウキ ノ テンモン ニンシキ

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説明

本論文は、太陽黒点観測記録をもとに、十八世紀後半から十九世紀にかけての天文認識について論じたものである。具体的には寛延二年(一七四九)の江戸幕府天文方の観測が記されている「三際図説並寛保以来実測図説」、寛政五年(一七九三)に京都伏見で行われた観望会の記録「望遠鏡観諸曜記」、天保六年(一八三五)に自作のグレゴリー式反射望遠鏡を用いて国内で初めて約一年にわたる観測を行った国友一貫斎の「日月星業試留」を分析対象とした。これらの観測記録を通して、暦学に直接、関係しない天体の運行や天体表面の観測に興味を持った知識人と職人の文化的な繋がりを明らかにした。職人たちは、西洋の精巧な技術に魅せられ、それを趣味的に追求していくことで、結果として天文学における新しい分野を創出した。こうした彼らの天文学への関心の背景には、観測記録の写本の流布や天文書の出版があったのである。

source:https://researchmap.jp/koten-0929

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