20年以上持続した歩行時痛に超音波ガイド下fasciaハイドロリリースが著効した1例

  • 岩田 千広
    名寄市立総合病院麻酔科 旭川医科大学麻酔・蘇生学講座
  • 菅原 亜美
    旭川医科大学麻酔・蘇生学講座
  • 井上 真澄
    旭川医科大学麻酔・蘇生学講座
  • 佐藤 泉
    旭川医科大学麻酔・蘇生学講座
  • 小野寺 美子
    旭川医科大学麻酔・蘇生学講座 旭川医科大学病院緩和ケア診療部
  • 牧野 洋
    旭川医科大学麻酔・蘇生学講座 旭川医科大学病院緩和ケア診療部

書誌事項

タイトル別名
  • Ultrasound-guided fascia hydrorelease for persistent pain on walking of more than 20 years' duration: a case report

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説明

<p>26年持続した歩行時の痛みに超音波ガイド下fasciaハイドロリリース(US-FHR)が著効した症例を経験した.症例は80代男性,X−26年の頸椎症に対する手術後より歩行時の右大腿外側部の痛みを自覚した.さまざまな医療機関で神経ブロック等の治療を行ったが,有効な鎮痛は得られなかった.X−3年に当院ペインクリニック外来を自ら受診し,プレガバリン50 mg/日の内服を開始して歩行時痛は軽快したが,眠気等の副作用を認めた.X年に歩行時痛がさらに増悪した際の診察で痛みと同部位に筋硬結と圧痛があり,超音波で右外側広筋の筋膜重積を認めたため,診断的治療として重積部周囲に0.025%リドカイン20 mlでUS-FHRを行ったところ痛みが完全に消失した.効果は1週間程度持続し,US-FHRを繰り返し行い,計9回施行した.ミロガバリン5 mg/日に変更して痛みのコントロールが可能となり,副作用は認めなかった.本症例は筋硬結や圧痛,超音波上の筋膜の重積を認め,筋筋膜性疼痛を疑い施行したUS-FHRにより副作用なく有効な鎮痛が得られた.</p>

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