尹湾漢墓簡牘の基礎的研究 : 三・四号木牘の作成時期を中心として

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抄録

尹湾漢墓簡牘の一号-六号木牘は、前漢末の地方行政の実態を記したものとして注目される。中でも三・四号木牘は、県における地方行政を担った長吏の昇進経路を記したもので、漢代官僚制の性格を考える上で重要な史料だと考えられる。ただしこの二枚の木牘は、出土状態が悪いことによって、そのままでは十分にその記載内容を分析することができない。そこで前に、他の尹湾漢墓簡牘をも利用して、その内容の復元を試みた。本稿は、それに続いて、三・四号木牘をはじめとする当該地方行政関係木牘の作成年代を確定しようとする試みである。ここでは、まず三・四号木牘からその手がかりを提示し、さらに「元延二年(前一一)日記」と題される竹簡群及び五号木牘を利用することになる。本稿及び前稿の分析結果によって、尹湾漢墓簡牘中の地方行政関係木牘は、前漢成帝末の元延二年前後の実態を反映しているものであることが明らかにされる。

尹湾漢墓簡牘

三・四号木牘

長吏

墓主の功曹就任

前漢成帝期

identifier:BO008300003683

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 83 1-16, 1999-03-01

    佛教大学文学部

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