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タイトル別名
  • Morphology of rock glaciers: A review
  • ガンセキ ヒョウガ ノ カ タチ

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抄録

岩石氷河は一般に岩屑被覆氷河とは形態的に区別される地形である.その理由は,岩石氷河の上流側のどこにも越年氷体が露出しない例が多いことと,表層を覆う厚い礫層に起因する特徴的な表面形態をもつことにある.岩石氷河は地中に越年する氷の緩慢な変形によって発達する.岩石氷河上にみられる皺状地形は,主に流速低下部での圧縮性の運動によって形成される.その形態は,塑性的に変形する層を可塑性の小さい礫層が覆う構造に由来する.岩石氷河下端においては,その流動に伴って末端に達した表面礫層が崩れ落ち続けることで,非常に急な(>35°)斜面が平衡状態を保って維持される.また,岩石氷河が巨礫のみに覆われている場合,上流側の崖錐を介した分級が継続的に生じていることを意味し,そのことは岩石氷河の発達期間を通じてその上に氷河が存在しなかったことを示唆する.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 75 (5), 315-324, 2013

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (120)*注記

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