せん切りキャベツのビタミンC及び食味に関する残留塩素の影響

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タイトル別名
  • Effect of Residual Chlorine in Water on Vitamin C Content and on Taste of Chopped Cabbage

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抄録

せん切り後浸水したキャベツについて, 水中の塩素濃度とビタミンC含量との関係及び味覚に関して検討を行った。1. せん切りキャベツ中の総ビタミンC含量は, 今回用いた水中塩素濃度0.0ppm~1.5ppmの範囲においては, 濃度が高くなる程, また浸水時間が長くなる程減少した。2. 本実験で用いた塩素濃度の範囲では, いずれの塩素濃度においても, 水分は浸水時間がながくなるに従って増加し, エキス分は減少したが, pHには変化がなかった。3. 最も歯ざわりが良く好ましいと評価されたせん切りキャベツの浸水時間は10分であることが認められた。このときのビタミンC残存率は, 水中塩素濃度0.0ppmで88%, 0.1ppmで85%, 0.5ppmで78%, 1.0ppmで74%, 1.5ppmで72%であった。4. 水道水と〓過水及び蒸留水との比較において, におい及び総合評価に関して有意に評価された。すなわち塩素の味覚への影響が少なくないことが示された。5. 塩素濃度0.1ppmは識別することはできるが, 水のおいしさ及び浸水キャベツに影響を与えるほどの濃度ではないことが認められた。

収録刊行物

  • 調理科学

    調理科学 19 (3), 221-226, 1986-12-20

    調理科学研究会

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