成熟ラットに対するサボテン食品の長期投与の影響(自然科学編)

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  • Effects of Long-Administration of Food Containing Cuctus on Adult Rats

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抄録

食品中に含まれている繊維質やその他の不消化成分は,従来我々の消化酵素で分解されず,栄養学的に価値のない単なる未消化物であると考えられていた。しかし,Walker等によって,高脂血症,心筋梗塞などの虚血性心疾患,糖尿病,大腸ガン,胆石症,腸憩室症などのいわゆる西欧的文明病は繊維質の不足が原因ではないかと報告されて以来,世界各国の研究者の注目を浴び,今日では疾病予防に関する繊維質のさまざまな役割が示唆されてきている。我々も数年来,繊維質を多く含む食品や難消化性多糖類をラットに摂取させ,成長,盲腸内におけるビタミン産生および腸内細菌叢等におよぼす影響について研究を行なっているが,文明病が比較的高齢で発症しているにもかかわらず,このような繊維質の研究に関し成熟ラットを用いた報告は少ない。そこで,我々ぱサボテン食品を用い,成熟ラットの生育におよぼす影響について検討を行なったので報告する。今回,試料に用いたサボテンは,我国でも一部の地方,たとえば鹿児島や宮崎で栽培,食用化されているうちわサボテソ(Opuntia ficus-ind ica)を使用した。この食用サボテンは,セルロース,ヘミセルロースおよび水溶性の粘性多糖類を多く含み,消化器官の機能亢進,大腸内に棲息する細菌,特に乳酸菌群の増加,さらに血糖値改善効果を有していることがラットを用いた実験で明らかにされている。

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