看護学生のリスク感性測定尺度の開発と信頼性・妥当性の検討

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タイトル別名
  • Development and Reliability and Validity Testing of a Risk Sensitivity Scale for Nursing Students
  • カンゴ ガクセイ ノ リスク カンセイ ソクテイ シャクド ノ カイハツ ト シンライセイ ・ ダトウセイ ノ ケントウ

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抄録

<p>〔目的〕看護学生のリスク感性を把握するための測定尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検討することである。</p><p>〔方法〕文献検討により独自に作成した質問紙にて一次調査を実施し、リスク感性予備尺度(44項目)を作成した。看護系大学在籍中の1~4年次生774名に外部基準尺度項目を含む質問紙調査を実施し、602名を分析対象とした探索的因子分析および確認的因子分析を行った。</p><p>〔結果〕看護学生のリスク感性は、【安全行動遂行力】、【リスク体験活用力】、【リスク情報獲得力】、【リスク回避準備力】、【リスク対応準備力】、【リスク察知観察力】の6下位尺度25項目から構成されたモデルで妥当な適合度が得られた。尺度のCronbachのα係数は、0.93であった。リスク感性得点と外部基準尺度との相関では、安全意識尺度の「安全への関心」、「安全への配慮」の2下位尺度得点との間にr=0.5 (P<0.01)の中程度の正の相関が認められた。認知欲求尺度ではr=0.2~0.3(P<0.01)の弱い正の相関、失敗傾向尺度では、「衝動的失敗」と【安全行動遂行力】の下位尺度間にr=-0.23(P<0.01)の弱い負の相関が認められた。</p><p>〔考察〕本研究結果より、開発した尺度の内的一貫性、構成概念妥当性が確認されたが、基準関連妥当性の確認については課題が残った。開発した尺度は、看護学生が実習開始前に自身のリスク感性を自己評価し、安全に行動するために必要な学習目標を設定し、実習への準備状況を整えることに活用できる。</p>

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