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イヌリン型フルクタンの免疫応答と大腸生理

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Abstract

type:論文

イヌリン型フルクタン(inulin-type fructan,IF)は,フルクトースがβ2-1グリコシド結合で直鎖状に繋がり,還元末端のβ-D-フルクトシル基にα-D-グルコースがα1-β2結合した構造を持つ。天然には,ユリ科のタマネギやニンニク,アスパラガス,キク科のチコリーやキクイモ,アーティチョークなどの食用植物に含まれており,工業的には,スクロースにβ-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼ,スクロース1-フルクトシルトランスフェラーゼを作用させることで合成されている。IFはヒトや哺乳動物の小腸では消化・吸収されず,不消化物として大腸へ到達し,そこで腸内細菌によって資化される。腸内細菌は発酵代謝産物として,酢酸,プロピオン酸,酪酸などの短鎖脂肪酸(short-chain fatty acids,SCFA)をはじめとする有機酸(他に乳酸,コハク酸,ギ酸など)や,水素ガス,炭酸ガスおよびメタンガスなどを生成する。また,この大腸発酵は腸内容物pHの適度な低下をもたらし,大腸内での二次胆汁酸やタンパク質腐敗化合物(アンモニア,インドール,フェノール類など)の生成を抑制する。さらに,IFはbifidobacteriaおよびlactobacilliなどの乳酸産生菌を特異的に増殖させる,いわゆるプレバイオティクスでもあるが,近年,このプレバイオティクス効果をもつIFやオリゴ糖には,乳酸産生菌の菌体成分やその代謝産物による腸管免疫系の修飾を介した種々のアレルギー抑制効果があると報告されている。腸管免疫系は,元来,食事抗原や細菌,ウイルスなど外界からの種々の異物に対する防御機構であり,この中心的役割を果たしているのが免疫グロブリンA(immunoglobulin A,IgA)である。腸管へ分泌されたIgAは,腸上皮を覆うムチンと共同して病原体やアレルゲンの侵入阻止,病原体毒素の中和などに働く。これまでにもラットやマウスにおいて,乳酸産生菌の投与やIFの摂取は,消化管でのIgA産生および分泌を促進させることが報告されている。本稿では,筆者らがこれまでに得た試験結果を中心に,IFの摂取が大腸発酵および消化管IgA分泌に及ぼす影響について述べる。なお,以下に述べることは,AIN-76精製飼料をラットに与えたときに得られた知見に基づいたものである。

identifier:903750

identifier:ZZ20039427

Journal

  • 応用糖質科学

    応用糖質科学 6 (4), 212-218, 2016-11

    日本応用糖質科学会

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