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低分子有機態炭素施用によるキャベツ苗の乾燥ストレス耐性向上 1.

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  • 糖類およびクエン酸の効果

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抄録

type:論文

キャベツ(Brassica oleracea var. capitata) の栽培では育苗した苗を定植する栽培方法が一般的である.定植栽培には在圃期間の短縮や,病虫害や雑草繁茂の低減などの利点がある一方,根が本圃の土に活着するまでは苗の生育が一時止まり,条件によってはその後の生育の停滞や枯死が起きる(岩間,2004).特に初夏まき年内どりの栽培体系では,定植時期に高温・乾燥が続くためこの傾向が強く,定植後数日間の潅水が必要となる他,植え痛みが激しいため夕方からの定植を余儀なくされる(荒木,2001). これらの問題を軽減するためには,耐乾性の高い良質の苗の準備が必要である.苗の耐乾性を高めるために,定植前に苗が萎れはじめるまで潅水を控える“水きり処理" (Frantz et al.,1998)や,塩化ナトリウムを添加した液肥等を与える“塩締め馴化法"(藤原ら,2002a,2002b) が提案されている.これらの方法により,気孔コンダクタンスが低下し,クチクラワックスが増加するため,苗の蒸散速度が低下して水分利用効率が上昇すると考えられている.しかし,セル成型苗の場合,水きり処理ではセルトレイの周辺部と内部の苗で水分条件が大きく異なるため,均一な水きり処理が得られないこと,曇天では十分な水きり処理ができないことが欠点である.塩締め馴化法はこれらの欠点を補う方法であるが,馴化処理により根鉢の形成が抑制されること,さらに処理後のNaCl溶液の処分の問題がある(藤原ら,2002a,2002b). 一方,植物の耐乾性が高まるメカニズムのひとつとして,糖などが細胞内に蓄積され,浸透庄が高まることが挙げられる(Ramanjulu and Bartels,2002; Serraj and Sinclair,2002).糖は植物の光合成産物であるが,根からも積極的に吸収されていることが示されている(Jonesand Darrah,1992; 1993a,b; 1995). 糖は植物の組織培養の培地でも古くから炭素源として添加されており,幼植物が糖の形で根から炭素を吸収することで生育が増加する(ticha et al.,1998; Le et al.,2001). したがって,植物根に糖を供給して吸収させることで細胞内の糖濃度を高め,耐乾性を高めることが出来る可能性がある.さらに,糖単独ではなく,同時にクエン酸を供給することで,糖供給の効果が高まる可能性があることが報告されている.貧光下で観葉植物の落葉を抑える目的で、スクロースを与えた場合,クエン酸を併用することでその効果が大きくなった(平澤,2005). また,植物生育促進剤としてトレハロースを用いた場合にも,クエン酸を併用することでその効果が著しく増大することが報告された(樽味,2007). クエン酸を併用することによる糖施用効果の増大は,クエン酸によって土壌が制菌的に保たれるためではないかと考えられている(平澤,2005). したがって,糖施用により植物の耐乾性が高まるとすれば,クエン酸を加えることでその効果も増大すると考えられる.そこで本試験では,キャベツのセル成型苗を対象とし,育苗期間中に糖,クエン酸,および糖と同時にクエン酸を施用し,苗の生育と定植時の乾燥ストレスに対する反応について調査を行った.

identifier:813759

identifier:ZZ20011749

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