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有吉堤竣工100年,アミガサ事件の背景を考察する(1)

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抄録

type:論文

平成28年(2016年)10月30日(日),有吉堤竣工百年の碑が建立された。竣工百年の碑建立は,新たなスタートである。この碑を前に,昔年の多摩川の水害の大きさ,これに対峙した一連の事件と一大プロジェクトを,後世に語り継いでゆく防災教育の継続的な展開が重要である。アミガサ事件(大正3年〈1914年〉9月16日)から有吉堤完成(大正5年〈1916年〉9月)までは2年間の出来事である。それからさらに2年後には,内務省直轄による多摩川の抜本改修が着工(大正7年〈1918年〉)となる。このわが国近代治水事業の創始期において,洪水の被害に毎年悩まされてきた地域の住民とその指導者たち,公的な機関との連携,あるいは確執には,現代の防災にかかる多くの教訓が見いだされる。そしてこれら一連の展開を語るにあたっては,やはりアミガサ事件を引き起こした当時の,多摩川の状況をしっかり理解しておく必要がある。アミガサ事件の直後,大正3年(1914年)10月29日付で,御幸村ほか10ケ町村の総代から内務大臣大隈重信に宛てた多摩川沿岸新堤塘築造陳情書には,地域住民の視点からの近年の洪水の原因の分析として,一. 下流ニ架設セル三橋カ一原因 一. (対岸の)築堤及上置腹附カ二原因 一. 堤外地ニ果樹密埴カ三原因 一. 砂利採掘カ四原因 の記載がなされ,的確な分析で多摩川の洪水の原因を述べ,その分析力は技術者顔負けの内容である。当時の地元住民には,それだけの災害リスクに対する分析力,技術力があったことも大きな驚きである。本論文は,この多摩川沿岸新堤塘築造陳情書に記された4つの原因に着目をして,アミガサ事件の背景を考察したものである。

identifier:920162

identifier:ZZ00015507

収録刊行物

  • 水利科学

    水利科学 357 38-72, 2017-10

    水利科学研究所

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