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港湾都市長崎における近代交通体系の形成過程

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タイトル別名
  • Formation process of the modern traffic system in harbor city Nagasaki

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抄録

本稿の目的は、我が国における工業化の始点となった明治期の状況を、当該期における代表的な港湾都市であった長崎を事例にして、工業化の基盤となる交通網の整備状況を中心に明らかにしようとするものである。 長崎は、近世の鎖国下の特権的海外貿易港としての地位は失ったものの、明治初期において近代的交通機関の代表的存在であった汽船の国内外の民間定期航路の拠点となっていった。 明治中期、鉄道時代が九州にも到来すると、陸軍の拠点である熊本と、海軍の拠点である佐世保との鉄路での直結を唱えて、長崎・佐世保間の鉄道計画も九州鉄道会社の一路線として組み込まれた。しかし、技術的、資金的な困難さから不採算路線として着工は遅延を重ねたが、日清戦争時に着工され、国内総動員態勢の本格的戦闘となった日露戦争時には、長崎港と長崎線は、軍事輸送における鉄道と船舶輸送の連結に大きな役割を果たした。 このように、当該期の長崎における近代交通網の形成は海上、陸上共に民間企業によってなされていた。これは当該期における我が国では一般的であったし、さらにこのような形態での交通網の形成は欧米においても一般的な現象であった。しかしながら、汽船事業、鉄道事業共に民間企業と言いながら国(政府)の補助金など政府が関与する部分も大きく、特に長崎線の敷設においては当該期日本の国家政策や軍事的要因が大きな影響を与えていた。

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