【10/4更新】2022年4月1日からのCiNii ArticlesのCiNii Researchへの統合について

傾斜地の農地防災に関する研究(2)

書誌事項

タイトル別名
  • 成層斜面における降雨浸入について

この論文をさがす

抄録

山地,傾斜地の造成農地に見られる盛土・植生・地山の3層構造が降雨浸入とそれに続く浸潤,排水に及ぼす影響を,モデル実験によって調べた。用いた実験試料は,昭和51年17号台風で大きな豪雨災害を受けたマサ土であり,また植生層の代替物として2~5mm粒径のレキを使用した。得られた結果は次のとおりである。1. 試料のマサ土はレキから粘土まで含む土であり,2mm以下にフルイ分けしたマサ土の水分特性曲線は著しいヒステレシスを有した。2mm~5mmのレキも水分張力10cmH2O以下で保水力を有した。2. 一定強度の降雨浸入に対し,均一土層モデル斜面では浸潤前線が一定速度で斜面と平行に降下したのに対し,3層土層モデル斜面では第1層のマサ土と第2層のレキとの境界において浸潤前線の進行が見かけ上停止した。この現象を次の4段階に分割して解析した。(1) 第1段階は雨滴のバラツキによる不均一浸潤から均一浸潤への移行過程であり,浸潤前線の波形がなめらかになる理由を,水の質量保存則から説明した。(2) 第2段階は,均一浸潤から浸潤前線の見かけ上の停止までであり,Green and Ampt及びブダゴフスキーの式を用いて解析した。浸潤前線の進行が一定速度となるのは,式qz=K(cosα+m),m=h2-h1 / Z…(4)においてmが一定値であることと同値なので,この条件を元にして有効水分張力h2の値を算出した。ただし,qz:Z方向フラックス(cm3/cm2・sec),K: 不飽和透水係数(cm/sec),h1: 地表面での水分張力(cmH2O)である。浸潤前線の停止は,(4)式の右辺が0であることと同値なので,この条件を元にしてh2の値を算出し,その物理的意味を明らかにした。(3) 第3段階は,浸潤前線停止中の水分移動であり,土層境界付近に発生する横流れの影響範囲は厚さ1cm以下であることを確認し,そのフラックスを算出した。(4) 第4段階は,浸潤領域が下層土にまで広がって,排水が開始されて以降の水分移動であり,均一土層より3層土層の方が早期に排水が開始されることを,3層土層内の水分移動から説明した。3. 以上の降雨浸入現象の実験と解析により,3層構造における水分移動の実態を明らかにし,浸潤前線の停止や土層境界面での横流れを予測するのに,式h2=h1-Zcosα…(14)が有用であることを確かめた。4. 造成農地における3層構造は,総合的に評価して否定的な役割を持つと結論したが,長い斜面や長期間降雨時の問題については,なお今後の研究課題とした。

identifier:323358

identifier:ZZ00014384

収録刊行物

被引用文献 (0)*注記

もっと見る

参考文献 (0)*注記

もっと見る

関連論文

もっと見る

関連研究データ

もっと見る

関連図書・雑誌

もっと見る

関連博士論文

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

関連その他成果物

もっと見る

詳細情報

ページトップへ