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タイトル別名
  • 自然科学研究における歴史資料の活用のすすめ

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抄録

type:資料

近年,自然科学,社会科学の両分野において,人と自然との関わり方に関する研究が活発に行われ,関連する書籍が相次いで刊行されている。日本のように狭い国土では,人の手が全く入らない手つかずの場所は少ないため,我々が研究の対象とする多くの場所では人の影響を無視することはできない。「現在」は常に「過去」の積み重ねの上に成り立っていると考えると,現在の日本の姿をより鮮明に描くには,過去に行われてきた人の営みの歴史を理解する必要がある。もちろん,こうした考え方を踏まえた研究は以前から行われており,森林に関する書籍で代表的なものとしては,千葉(1956,1991),タットマン(1998),小椋(1992)などがあげられる。また,1990年代前後に巻き起こった里山ブームの時期以降は,水本(2003),有岡(2004),養父(2009)らによる豊富な歴史資料から里山の歴史を辿った書籍が数多く刊行されている。最近の傾向として目を引くのは,自然科学,社会科学といった個別分野の研究だけではなく,分野横断的,文理融合的な研究が積極的に進められていることである。こうした取り組みが行われる契機の一つとなったのは,2003年から2011年にかけて行われた総合地球環境学研究所のプロジェクト「日本列島における人間―自然相互関係の歴史的・文化的検討」であろう。社会科学と自然科学ともに多数の研究者が参加したこの研究の成果は,「シリーズ日本列島の三万五千年―人と自然の環境史」全6巻として刊行されている。さらに,2012年からは歴史学分野からも,自然科学研究者が執筆に加わった「環境の日本史」全5巻が刊行されている。こうした流れは今後しばらく続くのであろう。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降,自分の暮らす地域の歴史を見直そうという人々の意識が高まっている。住居周辺の過去の土地利用を調べるために各地の図書館で旧版地形図の閲覧数が増えたことや,旧版地形図を簡単に扱うことができるソフトのアクセス数が急増したことなどが,こうした状況を反映していると思われる(谷,2011)。また,歴史資料の保存,地域に眠っている歴史資料の発掘,活用の仕方などについても,近年各地で活発に議論されていることが,報道などでしばしばとりあげられている。これらの動きもまた,人と自然との関わり方に関する研究を推し進める後押しになっているように感じられる。本稿では,以上のような現状を踏まえて,筆者が携わってきた災害史と景観史に関する研究において歴史資料を活用した例を紹介する。さらに,研究を進めていく中で筆者が経験してきた歴史資料を探索する際のコツについても言及していきたい。

identifier:890353

identifier:ZZ00007967

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 56 (2), 81-87, 2014-12

    森林立地墾話会

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