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弓道における熟達

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  • Mastery in kyudo (Japanese archery)

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抄録

本実験は,弓道動作における姿勢の安定性,姿勢と呼吸,動作と呼吸がどのように協調しているのかを検討したものである。熟練者と初心者の弓道動作を比較した結果,発射直前の2000ms間の矢状面方向の身体重心COGᴀᴘ(的と参加者を結ぶ線と垂直方向)の動揺は,熟練者の方が初心者よりも小さく,姿勢の安定性が高いことが示された。また,弓を持つ左手の動揺についても,熟練者の方が初心者よりも小さく,左手の安定性が高いことが示された。熟練者は手の安定性が姿勢の安定性に支えられて実現され得ること,手の動揺は身体各部の補償によって減少させられている可能性が示唆された。呼吸については,“離れ”動作時に,熟練者において呼吸を停止させる比率が高いことが示された。熟練者は呼吸を停止させることによって呼吸によるノイズに抵抗して的中率を上昇させていると考えられた。動作と呼吸の協調的関係は,“大三”動作において熟練者の方が協調的関係の現れる比率が高くなった。“打ち起こし”動作では,熟練者では吸気,初心者では呼気の比率が高くなった。“打ち起こし”動作は前に姿勢が傾くが,熟練者では吸気と協調させることで抑制させていると推測された。本実験の結果から,弓道においては,姿勢の安定性と呼吸による動揺をどのように克服するか,動作と呼吸の協調がどのように組織化されるのかが鍵であり,熟達に大きな影響を及ぼしていることが示唆された。

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信州大学人文科学論集 8(2): 53-65(2021)

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