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ニホンカモシカ(Capricornis crispus)の骨格に関する研究 (2)

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  • 後肢骨について

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抄録

ニホンカモシカの骨格の形態学的研究の一環として,前肢骨格に引き続き,今回は,後肢骨格について調査研究を行なった。1.カモシカの後肢骨は,寛骨(腸骨,坐骨,恥骨),大腿骨,膝蓋骨,脛骨,腓骨,足根骨,中足骨,趾骨,種子骨および副蹄内の2個の小骨片から成り,それらの骨の各部位を確認し,図譜を作成した。2.カモシカの後肢骨格は,反芻動物の一般的な特徴を備え,概観的には,ヤギやヒツジの骨格に類似していた。また,ウシとは,骨格の大きさで区別できた。3.カモシカの寛骨では,次の部位でヤギやヒツジと区別できた。閉鎖孔,寛骨臼,大腿直筋外側野,腸歩翼,腸骨稜,寛結節,仙結節,殿筋面と殿筋線,大坐骨切痕,坐骨体,坐骨板,坐骨結節,小坐骨切痕,恥骨櫛,閉鎖溝および大腿骨副靱帯溝。カモシカの閉鎖孔の周縁に家畜解剖学用語には使用されていない背側閉鎖結節と腹側閉鎖結節の存在を発見し,靱帯解剖学用語を参照して命名した。4.カモシカの骨盤では,雌雄差について調査した。また,骨盤腔の形でヤギやヒツジと区別できた。5.カモシカの大腿骨では,次の部位でヤギやヒツジと区別できた。大腿骨頭,頭窩,大腿骨頸,転子窩,転子間稜,大転子,大腿骨粗面,顆上窩,顆間窩および栄養孔の位置。6.カモシカの膝蓋骨は,概観的にウシと異なり,ヤギやヒツジと類似していた。7.カモシカの下腿骨では,次の部位でヤギやヒツジと区別できた。脛骨では,外側顆,膝窩切痕,顆間区,顆間隆起,脛骨粗面,脛骨体,前縁,外側面および遠位端。また,腓骨は,腓骨頭と外果より成り,ヤギやヒツジのものによく類似していた。8.カモシカの長骨では,脛骨が最も長く,次に尺骨,大腿骨,上腕骨,橈骨,中足骨,中手骨の順であった。9.カモシカの足根骨は,ヤギやヒツジのものと類似しており,一部,ウシのものとは異なっていた。10.カモシカの中足骨では,退化している第二中足骨が,第三・四中足骨の近位(上端)の後内側に小突起として付着していた。一方,ヤギやヒツジでは,第三・四中足骨の近位には,第二中足骨との関節面が存在していた。さらに,中足骨と中手骨の形態的差異についても,カモシカとヤギでは異なっていた。11.カモシカの趾骨は,ヤギやヒツジのものに類似して細長かった。一方,ウシのものは,太くて短かった。さらに,カモシカでは前肢の指骨の方が,後肢の趾骨よりも太くて短かった。12.カモシカの四肢骨における雌雄差は,寛骨と骨盤においてのみ認められた。

identifier:300872

identifier:ZZ00013929

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