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十勝火山灰土壌における土壌生産力と畑作付方式に関する研究(1)

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  • 牧草導入による作物生育の変化

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抄録

初めに当畑作部で実施した牧草試験の例から乾性火山灰土壌における牧草の維持管理上の問題点を指摘した。続いて牧草地を耕起して,後作物を栽培するに当たって,養分の還元量や次作物に対する影響について触れた。最後にえんばく,てんさい,ばれいしょ,小豆を栽培した場合の牧草跡地の生産力的意義を解明しようとした。以上によって得られた知見は次のとおりであった。1. 現在草地の造成には比較的多数の草種を用いることが多いが,3年目以降は草種構成が単純化し,生産もやや劣ってくる。したがって草地の利用年限の短い場合は多種類の草種構成ですき込まれるが,3年目以上の場合は草種構成が単純化していることが考えられる。2. 牧草をすき込む場合,後作に影響する還元量は牧草の栽植密度,草種,栽培年数,肥培管理法によって変動が生ずる。なお還元物の組成にもかなりの相違が認められ,越冬後5月上旬ごろのイネ科草では炭素率が高く,土壌中の分解が遅れ,Nの固定現象が認められ,あるいは低いK2Oで後作への効果も少ないなど養分的効果にも差のあることを認めた。3. すき込まれた物質の分解に伴う障害ではアルファルファ跡,鶏ふん施用区で発芽障害を認めた。ほかに牧草株の存在による機械的障害や再生に伴う雑草化の問題があるが,直播てんさいのスタンド調査や雑草数を調べたところ前年春耕,夏耕区に比べ,秋耕のオーチャードグラス跡地は明らかに問題の発生が多かった。これらについては反転性能を高め,あるいは耕起時期を早めることによりかなり回避できると思われた。4. オーチャードグラス主体,ラジノクローバ主体の草地に,えんばく,てんさい,小豆を栽培した結果,えんばくは前者ではN飢餓的に,後者では倒伏する結果となり,施肥のコントロールがむずかしい。てんさいについては,いろいろな障害は認められたけれども,草地前歴のないほ場に劣らぬ生育を収めた。直播では本年春ラジノクローバ草地を耕起して,人力で施肥播種した区は発芽,初期生育の不良と著しいキタネコブセンチュウの寄生により減収したのに対し,前年耕起,機械施肥播種はオーチャードグラス主体秋耕区を除いて,良好な初期生育を確保できた。移植区ではセンチュウの寄生指数も少なく夏耕区が若干よく,約500kg/aの収量であった。 5. てんさい,小豆跡にばれいしょを栽培した結果,前々作牧草の差が収量,でんぷん価に反映しラジノクローバ跡>フォーチャードグラス跡で,てんさい跡-ラジノクローバ跡は累積的に増収した。6. イネ科草,マメ科草3草種ずつを単播した跡地の小豆はマメ科草跡の初期生育が抑制され8月以降になっておう盛となり回復したが,ラジノクローバ跡は生育が遅れてやや減収した。対照区・イネ科草跡,マメ科草跡を比べると,登熟生育への感応が顕著で,豆類の生育相を改善する手がかりになると考えられた。

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