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氾濫原河畔植生に由来する有機物の生産・分解・流出過程

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抄録

type:論文

河川生態系への外来性有機物供給源の一つとして「氾濫原河畔植生」に着目し、有機物の生産と分解、増水による流出という一連の過程を概観するとともに、それらの特性について検討した。氾濫原河畔植生は、冠水という攪乱をしばしば被るにもかかわらず高い生産性を有し、その落葉供給量は山地森林をしのぐ値であった。氾濫原におけるこれら落葉の分解は、落葉の質や接触する生物群集、周囲の温度や湿度といった物理化学的な環境特性に加えて、冠水が起きるタイミングとその継続期間に大きく影響を受ける。これらの条件によっては、落葉の分解は緩やかに進み、氾濫原は粒状有機物の一時的な貯留場所かつ、河川への潜在的な供給源となりうる。また野外調査やモデルを用いたシミュレーションからは、氾濫原から河川流路へ、さらにはより下流域への粒状有機物移動量が冠水の規模と頻度に左右されることが示唆されている。日本で見られるような急峻な河川の氾濫原からは、一時的に堆積していた落葉由来の有機物が河川の増水によって一気に下流へと流出しており、中・下流域に分布する氾濫原河畔植生が河口域や沿岸域への粒状有機物の重要な供給源となっている可能性が十分に考えられる。その一方で、このような河川氾濫原を対象とした落葉や粒状有機物の動態に関する情報は未だ限られており、河川の勾配の違いと冠水パターンの影響を考慮した、有機物の生産・分解・流出過程に関する更なる研究の展開が望まれる。

identifier:811731

identifier:ZZ00015063

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