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メキシコにおけるトマト生産

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抄録

type:その他

北米自由貿易協定(NAFTA)はメキシコ農業に大きな影響を与えた。特にわが国においては,農産物貿易の自由化やTPP加盟の是非といった議論と結びつけられ,NAFTAがメキシコ農業にもたらした負の側面―「主食」トウモロコシの輸入依存,伝統的農村の疲弊と都市部や米国への人口流出など―が強調されがちであるように思われる。たしかにそのような側面があることは事実である。しかしNAFTAはそうした現象を強化したが,それらの発端というわけではないし,またNAFTAを逆手に取ってさまざまな試みを始めている農業生産者も同時に生み出した。本稿では,メキシコ西部ハリスコ州においてトマトを中心とする野菜生産を行なう新興企業の事例を記述することで,NAFTAの肯定的側面に焦点を当て,もってよりバランスの取れた「メキシコ農業像」を提示する素材を提供しようとするものである。事例として取り上げた2社は,企業としての「成功」を超えて,過疎地における雇用創出,伝統的農村生活との共生という形で地域社会への貢献を始めているほか,将来的には近隣生産者の組織化や地域ブランドの確立を企図するなど,新たな動きを始めている。もちろんこのようなモデルは,メキシコの地理的・歴史的・文化的多様性に鑑みるとどこでも適用可能であるとは限らないが,多様な選択肢のひとつを形成するものであるといえよう。

identifier:831230

identifier:ZZ00013525

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 22 (3), 9-16, 2012-03

    日本国際地域開発学会

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