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カンキツ類における日焼け果の発生要因の解明と軽減対策

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抄録

type:論文

世界および日本の年平均気温が上昇しており、今後、さらなる温暖化によって夏季の高温が予想される中、カンキツ果実において日焼けなどの被害の拡大が見込まれる。このため、日焼け果の発生要因および軽減対策について調査し、以下の結果を得た。日焼け果は健全果と比べて果皮表面温度が高くなり、蒸散量は多かった。日焼け部位の果皮をスンプ法で観察すると単位面積当たりの気孔数は少なく、孔辺細胞の形状が押しつぶされた状態に変化していた。夏季の晴天時、ほ場の外気温は38℃程度まで上昇するのに対して、樹冠外周部の外成り果の果皮表面温度は43~44℃、内成り果では37℃程度であった。この実態を踏まえて、電熱線を利用して40~50℃の熱処理を行った結果、8から9月までの期間では生育ステージが進んだ果実ほど日焼け症状は発生しやすく、8月では45℃以上に、9月では40℃以上に3時間以上遭遇することで日焼けの症状が生じた。また、「せとみ」では7月下旬から9月中旬までの期間に葉内最大水ポテンシャル-0.7~-0.9MPaの乾燥条件を継続させた場合、日焼け果が多発生した。7月下旬から9月中旬まで湿潤状態(-0.5~-0.7MPa)と9月中旬から11月までを乾燥状態(-0.7~-0.9MPa)の維持は、日焼けの発生を軽減しつつ、糖度や着色などの果実品質向上に有効であることが明らかとなった。軽減対策については、炭酸カルシウム剤を樹冠散布することによって日焼け軽減効果が認められ、効果の高い散布時期は梅雨明け後の7月下旬と8月中旬の2回であることを明らかにした。さらに、炭酸カルシウム水和剤を樹冠散布すると果実に白斑が付くものの、収穫した後の選果場の選果ラインでの一連の処理によって白斑が除去されることを確認した。テトロン製果実袋と数種のテープ資材を供試して日焼けに及ぼす影響を調査した結果、日焼け軽減効果はテトロン製果実袋が最も高く、テープ資材では粘着力が高く、のり跡も認められない鉄鋼用養生テープが有効と考えられる。

identifier:932330

identifier:ZZ20038346

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