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水稲多肥多収性品種の生理生態的特性の解明(2)

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  • 光合成同化産物の受容系能率,供給系能率からみた多肥多収性品種の特性

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抄録

(1)光合成同化産物の供給系能率及び受容系能率と窒素含有量との関係を品種別に検討した結果,改良品種では窒素を高含有率に維持させることが子実生産期におけるえい花当たりの上位葉面光合成能力(供給系能率)を効果的に向上させるだけでなく,これを受容するえい花数の生産効率(受容系能率)の改善にも同様の効果をもたらし,更に供給系と受容系の両者の能率を高い段階でかつバランスよく保持させていることを確認した。したがって,改良品種は太陽エネルギー利用効率向上と同時にえい花数の能率的生産の方向で改善が図られている。すなわち,ソース能とシンク能の両面が相対的に大きい方向に改善されている事実が明確となった。(2)全乾物生産量に対する子実収量の生産効率として表されている有効利用係数は,(1)受容系能率と供給系能率の積,すなわちえい花数(n),葉面積(A),単位光合成能力(Po)の3者の複合比n・Po/Aに基づいて決定されること,(2)それらの個々の生産要因が体内窒素レベルとの関連において総合的に有効利用係数に反映すること,(3)改良品種では体内窒素の高含有条件下で葉面積に比べえい花数の増加が著しく,かつ登熟期間の葉面光合成能力を高活性に維持し,その結果有効利用係数の向上をもたらす方向にあるなどの知見を得た。(3)体内窒素の高含有条件下でも炭水化物の蓄積を示す改良品種では,伸長期における光合成同化産物及び窒素の配分が稈部よりえい花部に高いことから,有効利用係数の成立過程は単に出穂後の光合成同化産物の生産・配分に支配されるだけでなく,出穂前における窒素及び炭水化物の体内窒素状態とも深い関連のあることが明らかとなった。これらの諸点から,多肥多収性品種の生理生態的特性として有効利用係数が極めて重要視すべき指標であることを指摘した。

identifier:272141

identifier:ZZ00014175

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