ヤナギ類3種のアーチ型さし木

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タイトル別名
  • Arch style cutting of three Salix species
  • ヤナギルイ 3シュ ノ アーチガタ サシキ

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抄録

ヤマヤナギ,ネコヤナギと中国原産のスナヤナギの3種を用い,さし穂を弧形に曲げ,基部だけでなく先端部をも地中にさし込むアーチ型さし木を行った。さし木の期間は3年間であるが,棒状のさし穂主軸から発生する新シュートを毎年秋にすべて刈り取った。こうすると翌年の最大シュート長やシュート乾重は前年より大きくなった。さし木後3年目までに,先端部が抜け出るか,先端部地際付近のさし穂主軸で枯死が起こった。アーチ型さし木は通常のさし木と埋幹を合わせもったものとみられ,枯死はその境界部分で起こった。先端部が抜け出るのは未発根が原因と思われる。先端部地際付近の枯死は時間とともに基部側へ進んだ。以後も刈り取りを繰り返せば,ヤマヤナギとネコヤナギは基部と先端部が生き残り,成長期にはそれぞれの地際から新シュートが多数発生し,両端部で株立ち状となることが予想された。スナヤナギは日本の環境に合わないのか,こうしたアーチ型さし木の特性をあまり示すことなく衰弱していった。

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参考文献 (12)*注記

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