ブドウ球菌由来表皮剥脱毒素ファミリーの同定および皮膚感染症における作用機序の解析
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- 西藤 公司
- 研究代表者
- 慶應義塾大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP04J07525 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 04J07525
- 研究種目
- 特別研究員奨励費
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 医歯薬学 > 内科系臨床医学 > 皮膚科学
- 研究機関
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- 慶應義塾大学
- 研究期間 (年度)
- 2004 〜 2006
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,400,000 円 (直接経費: 3,400,000 円)
研究概要
本年度は、水疱性膿痂疹あるいはブドウ球菌性熱傷様皮膚症侯群(SSSS)における表皮内水疱が、黄色ブドウ球菌由来表皮剥脱毒素(ET)によるDsg1の切断のみにより生じるか、あるいは切断後のDsg1を含むデスモソーム構成蛋白の細胞内移動が重要となるか検討した。新生仔マウスにETAを投与し、投与後におけるデスモソーム構成蛋白の経時的な細胞内動態を蛍光抗体法により観察した。その結果ETA投与マウスにおいて、投与後約30分よりDsg1切断端のN末端側が角化細胞膜表面から消失したのに続き、投与後60分よりマウス表皮上層に病理組織学的な水疱が観察された。水疱に面した角化細胞の一部では、ETA投与後60分よりDsg1切断端のC末端側が細胞質内に認められたが、多くの角化細胞ではDsg1のC末端側が水疱面の角化細胞膜上に残存した。また水疱に面した角化細胞では、Dsg1と共発現する接着蛋白デスモコリン1、さらにデスモソームの細胞内蛋白であるプラコグロビンやデスモプラキンもまた、水疱面の角化細胞膜上に残存した。さらにETA投与後60分において、透過型電子顕微鏡を用いた観察により半割デスモソームが水疱面の角化細胞膜上に認められた(Nishifuji et al. manuscript in preparation)。 以上の一連の結果より、水疱性膿痂疹やSSSSにおいては、 ETによるDsg1の切断が表皮内水疱の直接的な原因となる可能性が示唆され、これらの疾患における水疱形成機序を紬胞レベルで説明することが可能となった。今後は表皮剥脱毒素ファミリーとDsg1との結合様式について、結晶構造解析ならびに生化学的手法を用いた解析が行われると共に、ET-Dsg 1間の酵素基質反応を特異的に阻害する皮膚感染症の新規治療法が開発されることが期待された。
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1040000781606060160
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- KAKEN