アシアロ糖タンパク質レセプターを用いたプラスミドDNAの肝細胞選択的送達法の確立
-
- 西川 元也
- 研究代表者
- 京都大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP08772091 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 08772091
- 研究種目
- 奨励研究(A)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 医学 > 薬学 > 生物系薬学
- 研究機関
-
- 京都大学
- 研究期間 (年度)
- 1996 〜 1996
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,000,000 円 (直接経費: 1,000,000 円)
研究概要
先天性遺伝子欠損をはじめとする各種難治性疾患の治療に対する遺伝子レベルでの治療法として、治療上必要なタンパク質をコードしたプラスミドDNAを直接生体に投与する治療法が大きな注目を集めている。しかし、プラスミドDNAは生体内での安定性が非常に低いため、医薬品としての利用に際してはDDSの適用が必要不可欠であると考えられる。中でも、薬物を標的部位に効率よく送達することを目指すターゲティング型DDS製剤を開発することにより、プラスミドDNAを目的とする細胞内へ送達して初めてこうした遺伝情報を薬物として利用する道が開かれるものと考えられる。本研究では、プラスミドDNAの肝細胞選択的送達法の確立を目的として、chloramphenicol acetyltransferase(CAT)をコードしたプラスミドDNA(pCAT)を用い、poly-L-lysine(PLL)にガラクトース修飾を施すことにより開発した肝細胞ターゲティング型キャリアー(GaL-PLL)との複合体を調製しその体内動態特性について検討した。平均粒子径約180nmかつ全体として弱負電荷を有するように設計したpCAT/Gal-PLL複合体は、静脈内投与後速やかに肝実質細胞に取り込まれることが明らかとなった。この時の遺伝子発現を免疫組織染色法により評価したところ肝臓内にCATの発現が認められたことから、本複合体投与によりin vivoでの肝細胞選択的遺伝子送達が達成できることが明らかとなった。また、安定な複合体の形成、肝癌細胞に対する遺伝子発現ならびに肝実質細胞への送達効率には用いるGal-PLLの分子量やガラクトース修飾率などの要因が重要であることも明らかとなった。以上のように、本研究の成果はプラスミドDNAの医薬品としての実用化に必要不可欠の情報を提供するものと思われる。
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1040000781682653440
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- KAKEN