パンアフリカン変動とゴンドワナ形成 -東南極と南東アフリカの後期原生代-古生代初期の地殻形成過程
研究課題情報
- 体系的番号
- JP09041116 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 09041116
- 研究種目
- 国際学術研究
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 理学 > 地球科学 > 地質学
- 研究機関
-
- 国立極地研究所
- 研究期間 (年度)
- 1997 〜 1999
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 14,800,000 円 (直接経費: 14,800,000 円)
研究概要
本研究はこれまでに本研究グループが調査してきた東南極やスリランカの知見に立脚して、東南極と南東アフリカの原生代から古生代の初期にかけての変動を比較研究し、ゴンドワナ形成との関係を明らかにすることが目的である. 初年度は、南アフリカ共和国東部、北部地域におけるパンアフリカン変動の影響を観察しつつ、南アフリカの地質の全体像を把握するため、南ア共和国北東部に分布する太古代末期リンポポ帯、ババートン帯、東部に分布する後期原生代ナタール帯の地質調査を中心にPhalaborwaカーボナタイト、Vredefort地域、さらにはKimberley地域など、広範囲に踏査した。南極地域では、エンダビーランドの太古代変成岩へのグレンビル期とパンアフリカン期の変動の影響を調査した。 第2年度は太古代衝突帯の代表的な地域とされるマーチソン帯と、ナタール帯の東方延長とされるナマクアランドの超高温変成岩の調査を行った。さらに、カープファールクラトンの西部地域のモザンビーク帯の予察的な現地調査と試料採集を行なった. 最終年度では、ナマクアランドとナタール帯をより詳しく調査し、またブッシュフェルト岩体の調査を行なった。さらに、成果のとりまとめのために、3名の南ア側研究者が来日して、ワークショップを開催した。 本研究期間中には、南アフリカと接している南極地域の調査はできなかったが、ナタールーナマクア帯については、従来の研究を改変する大きな知見を得ることができた。特に、詳細な岩石化学的研究により、ナタール帯の北部地域は約10億年前の海洋性島孤の付加によって形成されたというあらたな形成モデルを打ち立てた.これは、第三紀以降の日本の丹沢山地や伊豆ーマリアナ弧と対比しうる岩石学的、岩石化学的特徴をもつという事実に立脚している.同位体学研究では、ナマクア帯の花崗岩のRb-Sr年代は1017+/-30MaでSHRIMP年代と良い一致を示すこと、変成岩のSm-Nd同位体初生値は南部で高く、北部で低く、原岩構成の違いを反映していることがわかった。また、同国内ではパンアフリカン変動の影響はごく弱く、その点では南極ドロンニングモードランドの西端部、ハイムフロントフィエラに対比できることも明らかになった.