久山町高齢者の栄養状態に及ぼす栄養素摂取とその加齢による変化の研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP09670426 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 09670426
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 医学 > 社会医学 > 公衆衛生学・健康科学
- 研究機関
-
- 中村学園大学短期大学部
- 研究期間 (年度)
- 1997 〜 1998
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,300,000 円 (直接経費: 1,300,000 円)
研究概要
高齢者が良好な栄養状態を維持し、心身共に健康を保持するための基礎資料を得ることを目的に、久山町の高齢者を対象に10年間の追跡研究から加齢による変化を検討した。対象は、1998年の成人健診を受診した60歳以上のもののうち1993年と1998年の健診を受け、さらに、食事調査も受けた387名(男:162名、女:225名)である。高齢者の栄養状態を評価するパラメータとしてBMI、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、血清総コレステロール値、血清アルブミン値について検討した。食事調査においては、栄養素等摂取状況、食品群別摂取量、栄養比率、さらに食物消費構造の検討を行った。結果:(1)10年間に、身長、体重、BMIの減少がみられた。(2)血液生化学値においては、男女とも、ヘモグロビン、血清鉄、総たんぱく質、血清総コレステロールが減少したのに対し、アルブミンとHDLコレステロールは増加した。(3)栄養素摂取状況において、エネルギー-摂取量が減少していたにもかかわらず、栄養素等摂取率は加齢とともに増加し、個々の所要量設定についての検討の必要性が示唆された。(4)摂取エネルギー比率において、糖質エネルギー比が減少し、たんぱく質エネルギー比、脂質エネルギー比が増加した。(5)因子分析の結果、1988年から1998年の10年間で第1因子は米からパンの方向へ、第2因子は副菜が少食の方向へシフトし、高齢者の食事形態は加齢により、主食の米離れ、副菜の少食化がみられ、より簡便に摂取できる食品選択の傾向が認められた。これらの社会的背景についてはさらに検討する必要がある。高齢者の食事は、加齢による変化だけではなく、家族や日常の生活動作(ADL)、社会的ネットワークなどに影響を受ける。1998年に65歳以上の99%に及ぶこれらの調査を実施したので、食物消費構造との関連等で明らかにしていきたい。