皮膚付属器腫瘍特に毛包系腫瘍におけるケラチン発現と分化との関連について

研究課題情報

体系的番号
JP09770603 (JGN)
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)

科研費情報

研究課題/領域番号
09770603
研究種目
奨励研究(A)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 医学 > 内科 > 皮膚科学
研究機関
  • 山形大学
研究期間 (年度)
1997 〜 1998
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
2,100,000 円 (直接経費: 2,100,000 円)

研究概要

最近、我々は生化学的方法および免疫組織化学的方法により毛包性腫瘍および非毛包性上皮性皮膚腫瘍におけるケラチン発現の特徴を検索した結果、ケラチン16(K16)に比しケラチン17(K17)の優位な発現が毛包性腫瘍に特異的であるという結論を得、英文誌(J Invest Dermatol 104:396-400,1995)に報告した。次に、従来表皮由来と考えられてきた脂漏性角化症と分化の方向に定説のない基底細胞癌について、上記の結果を基にケラチン分析を行い、両腫瘍が毛包性腫瘍の範疇に属するかどうか検討した。その結果、基底細胞癌に関しては、未分化な毛包上皮、(hair bulge(毛隆起))への分化を示す腫瘍であるという新知見が得られ、最近報告した(J Dermatol Sci(in press))。また脂漏性角化症については、やや毛包性優位の毛包と表皮の両者への分化を示す腫瘍であろうという新たな結論が得られた。 今回の研究は、詳細なケラチン分析がなされていない毛包性腫瘍を対象に生化学的、免疫組織化学的に検索し、上記の結論に普遍性があるかどうか検討した。対象とした腫瘍はtrichilemmal carcinoma(悪性外毛根鞘腫)、invasive type1例およびmalignant proliferating trichilemmal tumor(悪性増殖性外毛根鞘性腫瘍)2例。生化学的には全例においてK16に比し、K17の発現量が多いという結果が得られ、上記の結論と一致した。またK1の相対量も少量であり、これまで検索した毛包性腫瘍の結果と一致した。免疫組織化学的には共通して、腫瘍細胞におけるK17、K14のびまん性の発現、K16の基底層以外の発現、K1/K10の基底層則2、3層から数層以外の発現がみとめられ、生化学的結果と矛盾しない結果であった。以上の結果は、上記の結論を支持するものであり、この結論が毛包性腫瘍一般に合致する普遍的なものであることが示された。

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