視聴覚の感性と対応する大脳半球の動的機能解明
研究課題情報
- 体系的番号
- JP09838022 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 09838022
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 感性工学
- 研究機関
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- 神戸大学
- 研究期間 (年度)
- 1997 〜 1998
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,500,000 円 (直接経費: 3,500,000 円)
研究概要
聴覚環境において提案された音場評価のための聴覚-大脳機能のモデルに基づき、自己相関関数及び相互関関数に含まれるファクターと音場の主観的属性および連続脳波との関係を解析した。さらに視環境について時間的に変化する環境の心理的好ましさについての知見を得るとともに、聴覚と同様のモデルが適用するための知見を得るための実験を行った。詳細は以下の通りである。 1. 聴覚環境 (1) 聴覚-大脳機能のモデルに基づき、1)反射音に対する演奏者のプリファレンス、2)反射音の遅れ時間および残響時間に対するプリファレンスの個人差、3)反射音の時間的ゆらぎに対するプリファレンス、4)単音節の音声明瞭度が音源及び音場の自己相関関数のファクターによって予測できること、見かけの音源の幅(ASW)が両耳間相互相関関数のファクターによって予測できることを明らかにした。 (2) 単一反射音を付加した音楽を提示して連続脳波を導出し、α波の自己相関関数を解析したところ、音源のランニング自己相関関数の(τ_e)_<min>によって得られる最適遅れ時間を示す部分でα波のτ_eが最も長くなることを明らかにした。 2. 視環境 (1) 木の葉、水面のきらめきなど動きのある映像についてグレイレベルの時間的変化を自己相関関数、相関次元、相互相関関数を用いて解析するとともに、好ましさに関する心理実験を行い、プリファレンスが自己相関関数のファクターにより予測できることを明らかにした。 (2) 倍音のみで構成される音刺激を提示した際基本周波数が知覚されるミッシングファンダメンタル現象について、光の点滅刺激を用いた場合にも同様に基本周波数が知覚されることを明らかにした。 (3) 垂直または水平方向に正弦波状に運動する刺激の周期を変化させてプリファレンス実験を行い、周期約1秒のときに最もプリファレンスが高くなることを明らかにした。